東京未来大学BookLinkのオフィシャルブログがついに誕生
ビブリオ(=本)を媒介にしてビブリア(=本を読む人)をLink(=つなげる)させるという本懐を遂げるべく、ビブリオバトルという本のプレゼン大会を主な活動に据えているこの集団。ついに校外での活動に着手し始めました
非公認サークルのくせに学長先生までメンバーとして巻き込んでいる我々の動向を、皆様にお届けします󾬆︎

久しぶりに本の話

びぶりんく自体は2度目以降ましての方でも、私とは初めまして。

Book Linkの中で(小説だったら)本を1番を読んでいるであろう人、蒲谷です。

以後よろしくお願いします。

今回はびぶりんくにしては久しぶりに、本の話をしようと思います。
自己紹介のつもりで、最近私が気に入っている本についてでも語ってみます。

今回は、織守きょうやさん作「記憶屋」をビブリオ風に紹介いたします。

この織守きょうやさんは新人さんで、デビュー作です。

デビューでこんな面白い話が書けるというのは羨ましくなります。

では、皆さん。少し考えてみてください。
思い出すだけで嫌な記憶、ありませんか?それが誰かに消してもらえるなら、どうしますか?

この話は、主人公の遼一くんが女の子と出会うこと始まります。
その女の子は、痴漢に襲われたトラウマがあって夜道が歩けなくなっていました。

彼女は、藁にも縋る思いで切実に記憶を消してくれるという「記憶屋」という都市伝説を探していました。

そしてある日、彼女の記憶からトラウマと共に、遼一の記憶も消えてしまったのです。

 ここで私が考えてしまったのは、親しくなりたいと思って少しは知ることができてきていた人に、まったく知らない人を見るような顔で、「あなたは誰ですか」なんていわれてしまうのは、恐怖であろうというと感じます。 

その後、その女の子が気になってしまって、彼女が行くと言う話をしていたOBの高原の講演会について行ってみたりししました。

でも、忘れられているので話すことはできませんでした。

遼一くんはモヤモヤしたまま三年生になります。
そして突然、ただ講演会に行っただけの高原から電話がかかってきます。

「この間はありがとう。記憶屋のこと、助かったよ」。
そこで、彼は気が付いてしまいます。自分の記憶が消されていることに。

この本は群像劇なので、人が変わって、様々な「主人公」と「記憶屋」と関係する話が出てきます。
自分が苦しいから消して欲しい人。誰かの記憶を消して欲しいと思う人。大切な人に忘れられてしまった人。

自分は、誰に近いだろうと考えながら読むのがオススメです。

最後に、みなさんに聞いてみたいことがあります。
どちらがいやですか?親しい人に忘れられてしまうことと、突然自分の記憶が消えていることに気が付いてしまうこと。ぜひ考えて教えてくれると嬉しいです。

では、またお会いいたしましょう。